安倍政権をおとしめるために仕掛けたレッテル貼りと印象操作は、成果すら見えなくする 

 下記は、2017.7.29 付の【産経抄】です。

                       記

 「天下の楫(かじ)を取る者が悪くいわれるのは、むかしからのことで、気にはしていない。なれど、疲れてきた……」。作家、池波正太郎さんは代表作の一つ『剣客商売』で、時の最高権力者だった老中、田沼意次にこう苦笑させる。小欄にはとんと縁のない話だが、人の上に立つのも大変である。

 ▼田沼は商業を重視し、鉱山や蝦夷地(北海道)の開発を進めた改革派だった。外国との貿易を拡大して景気をよくした半面、賄賂が横行する「田沼政治」を敷いたと批判され評判を落とした。もっとも賄賂の件は、既得権益を守りたい政敵たちの言いがかりだとの説も根強い。

 ▼産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)が22、23両日に実施した合同世論調査では、安倍晋三首相を「信頼している」との回答が3割を切った。為政者に対する不信は深刻な域に達している。

 ▼フィレンツェの政治思想家、マキャベリはトップの資質を論考した『君主論』で「人はみな外見だけであなたを知り、ごくわずかな人しかじっさいにあなたと接触できない」と指摘し、こう説く。「人はただ結果だけで見てしまう」。

 ▼ならば結果を出すことで信頼を取り戻すしかないが、現状はどうか。28日には、6月の有効求人倍率が43年4カ月ぶりの高水準となったことや、就業者数が54カ月連続で増加したことが発表された。第2次安倍内閣発足以降、日経平均株価は倍増し、自殺者は減り、今年4月1日現在の大学生就職率は過去最高を記録した。

 ▼結果は出ているにもかかわらず、内閣支持率が低下しているのはなぜか。既得権益を手放したくない守旧勢力が、安倍政権をおとしめるために仕掛けたレッテル貼りと印象操作は、具体的成果すら見えなくしてしまう。

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